2000年9月に採択された国連ミレニアム宣言では、「2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛星施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する」という目標が掲げられました。世界の開発途上諸国は、この目標達成に向け、諸援助機関と協調しながら、給水開発を進めています。
地球システム科学は、世界各国や地域において、給水開発マスタープラン策定、給水施設調査設計、建設工事管理、継続的施設管理のための行政/ユーザーレベルへの技術サポート等、給水開発の一連の活動の全てのプロセスのサービスを提供します。
持続可能な施設設計へのアプローチ
1990年代までに、アフリカ諸国の地方部では、地下水を水源とする数多くの給水施設が建設されました。しかしながらその多くは、不適切な維持管理により、ひとたび故障が発生すると放置されているのが現状でした。その後の開発援助の動向はしたがって、継続的な維持管理が可能な施設・維持管理体制の形成に注目されるようになりました。
給水施設の不具合は、制度上、機械的または地域条件等の様々な条件に起因しますが、直接的には、維持管理の費用を住民が支払いできないこと原因となります。地球システム科学は、住民による維持管理が過剰な負担とならないように、極力建設コストを縮減すること、再生利用エネルギーの利用等による運転費用の軽減、定期的な部品交換等の長期化によるメンテナンスフリー技術よる、持続可能な設計を追求し、提供します。
持続可能な維持管理体制へのアプローチ
給水施設は、水源井戸、配管、タンク、公共水栓から構成されているため、適切な維持管理を行なうためには、、土木、電気、機械等様々な分野に関する知識を有し、統合的な故障診断をすることができる技術者が必要となります。
また、維持管理活動の障害は、維持管理活動だけではなく、その前段階である建設工程や設計工程に起因することも少なくありません。したがって維持管理のモニタリング結果を建設工程・設計工程にフィードバックすることにより、トータルシステムを継続的に改善していくことが、持続的な給水開発の実現には必要不可欠な活動となります。
地球システム科学は、調査・設計、施工監理、維持管理支援の豊富な経験とノウハウを活用し、持続可能な維持管理体制確立のための、人材育成や維持管理機材の選定・調達等の技術サポートを行ないます。