~ 災害に強い社会を目指して



 自然災害は、毎年多くの国で増加する傾向にあります。原因として、都市へ人口集中や地球規模の気候変動が挙げられています。とくに発展途上国では、災害により人命や資産が奪われることで、なかなか貧困から抜け出せないという悪循環に陥っています。
 2005年、災害に強い国・コミュニティの構築を目指して「兵庫行動枠組」が採択され、今後10年間に国際社会が取り組むべき5つの課題が示されました。地球システム科学は、豊富な経験と技術力そして人的ネットワークを活かしてこれらの課題に精力的に取り組んでいます。


ガバナンス能力向上と潜在的リスク要因の軽減



 世界の災害リスクは、貧しくガバナンスが弱い国に集中しています。多くの国で開発の際に災害リスクについての考慮がなされておらず、政策や制度的・法的な調整が不十分です。弊社では、中央・地方政府の防災行政機関に対して組織強化、防災計画の策定支援等の提言を行っています。
 また、災害リスクを考慮した公共インフラ整備も途上国における重要課題です。インフラ設計や土地利用計画の適正化などを防災計画に取り入れるなど、潜在的リスク要因の軽減のための技術支援を行っています。


災害リスクアセスメント・早期警戒



 正確なリスク評価はすべての対策の基本になります。弊社は、気象、地質、環境管理、GIS等の技術や知識を活かして、リスク評価や効果的なモニタリング・システムを提案したり、その技術移転を実施しています。また地域の実情に即した早期警戒システムの提案をしています。


防災文化の構築



 災害に強いコミュニティづくりの第一歩は、人々の災害への理解と対応力のアップです。コミュニティの防災活動を支援する仕組みを整備したり、学校防災教育によって災害リスクの軽減や災害に対する弱点について、子供たちにも教えるとともに「子から親へ、親から地域へ」とひろくコミュニティの防災意識を広める活動を実施しています。
 また、効果的対応力の強化のため、研修やワークショップを通じて、中央からコミュニティまで防災に関わる組織や団体の人材育成に貢献しています。