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モロッコ水物語

自然シリーズ‐頻発する旱魃と大使館の協力

2007年のアンチアトラス地域をはじめとするモロッコ南部の降水量は例年の50%以下であり、生活用水として重要な雨水貯水槽(マトフィーア)が多くの村落で枯渇する状況になっていた。マトフィーアは雨季に雨を貯水するシステムであり、水源開発の困難なアンチアトラス地域ではこの雨水貯水槽にどれだけ水を確保するかが生活を大きく左右する最重要事項となっている。しかしながら、現地での聞き取り調査によれば、2007年は降水量が極端に少なく、例年7月頃まで確保できるマトフィーアの水が既に2月には枯渇する状況にあった。当然のことながら、村落住民は生活用水を確保する為に、給水車によるサービスを受けることになるが、その金額が異常に高くなっている。

 このような状況に対して迅速に対応可能な日本の援助スキームとしては大使館が実施している「草の根・人間の安全保障無償」である。事実、2000年の旱魃時には15台の給水車を要請から3ヶ月で調達した実績がある。モロッコ南部では2000年よりも2007年の旱魃がより深刻であり、調査の結果、Taroudant、Tiznit及びChtouka Ait Bahaの3県に12台の給水車を調達することになった。

 現地調査が6月末であり、様々な手続きを踏んで、仮に11月に機材が納入されれば、要請から5ヶ月以内の対応となり、この迅速性が大使館のプログラムの魅力でもある。

写真-15.2006年1月(左)と2007年6月のダムの様子

写真-16.完全に枯渇したダムの上流の河川

写真-17.枯渇したマトフィーア

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